ようこそ「ビーズのはなやぎ・刺繍の美」展へ❶
【 ようこそ「ビーズのはなやぎ・刺繍の美」展へ❶ 】

新しい年がはじまりました。みなさまはいかがお過ごしでしょうか?
年をまたいで開催してきた、釧路芸術館の特別展「紡ぐ心と暮らし ビーズのはなやぎ・刺繍の美~北海道立北方民族博物館コレクション」も、いよいよ会期終盤を迎えました。美しい手仕事の数々、来館されたみなさまに楽しくご覧いただいています。
網走市にある北海道立北方民族博物館は、グリーンランドから北欧まで、アイヌ文化を含めた北方民族の文化とオホーツク文化を紹介する、日本で唯一の博物館。
そのコレクションのうち、ビーズ装飾と刺繍に焦点をあてたのが今回の展覧会です。出品点数は全210点・・・! ぜひお時間に余裕をもって、観覧にお越しください^ ^
これから5回にわたって、出品作品や展示の様子などをご紹介します。どうぞおつきあいください。

展覧会は、北海道アイヌの人びとの作品からはじまります。
曲線と渦巻き、とがった角のようなかたち、それらに囲まれる星のようなかたちが連なって構成されるアイヌ文様。儀式の用具のほか、衣服にも刺繍でアイヌ文様がほどこされています。

正面の向かって左の衣服は〈チヂリ〉。長万部でつくられたもので、緻密なチェーンステッチが実に見事。右は樹皮製衣服〈アットゥシ〉。衿、袖、裾周りにアップリケと刺繍で文様をあしらっています。
手前のケースに展示されているのは〈タマサイ〉、〈シトキ〉と呼ばれる首飾り。交易で手に入れた大きなビーズ(ガラス玉)でつくられ、アイヌの女性が儀式の際に身に着けてきました。

こちらの衣服は〈カパラミプ〉。透ける薄い地布の上に、大きな白い木綿布を切り抜いて衣服全体に文様をほどこしています。

首飾りの玉を想わせるような水色や、ピンクの色鮮やかな刺繍とともに、衿下から裾にかけては草花柄の布、袖口には乗りものや動物などの絵柄がついた布が用いられていて、モダンで愛らしい印象です。こうしたカパラミプは、明治末期から大正にかけて、白い木綿布が入手しやすくなってから制作されるようになりました。


衣服とあわせて、〈壁かけ〉もご紹介しています。作者の西田香代子さんは、阿寒湖温泉を拠点として制作活動を行う刺繍作家。アイヌ文化の伝承者との交流のなかで生み出される西田さんの刺繍からは、優れた技術とともに、神々とのかかわりを軸とする民族の伝統を大切にする心がうかがわれます。手前のケース内にある〈額飾り〉と〈手首あて〉も西田さんの作品です。

針仕事に関わる道具もご紹介しています。文様が彫刻された〈木製針入れ〉は、アイヌの女性が針を携帯するための道具。これを肌着の胸元の紐に結わえ、肌身離さず持ち歩くものです。また、〈糸まき〉にも引き出し状の針入れがつけられています。こうした道具は、人びとの生活のなかで針と糸が大切な存在であることを伝えてくれます。

床の矢印に沿って円柱の奥へまわると、〈カパラミプ〉の前身頃や〈壁かけ〉、〈チヂリ〉、〈アットゥシ〉の近くに進むことができます。ご来館の際は、ぜひお近くでご覧いただければ幸いです。
次回はアメリカ大陸へ。北米先住民の人びとの作品をご紹介します。(北海道立釧路芸術館/藤原乃里子)

新しい年がはじまりました。みなさまはいかがお過ごしでしょうか?
年をまたいで開催してきた、釧路芸術館の特別展「紡ぐ心と暮らし ビーズのはなやぎ・刺繍の美~北海道立北方民族博物館コレクション」も、いよいよ会期終盤を迎えました。美しい手仕事の数々、来館されたみなさまに楽しくご覧いただいています。
網走市にある北海道立北方民族博物館は、グリーンランドから北欧まで、アイヌ文化を含めた北方民族の文化とオホーツク文化を紹介する、日本で唯一の博物館。
そのコレクションのうち、ビーズ装飾と刺繍に焦点をあてたのが今回の展覧会です。出品点数は全210点・・・! ぜひお時間に余裕をもって、観覧にお越しください^ ^
これから5回にわたって、出品作品や展示の様子などをご紹介します。どうぞおつきあいください。

展覧会は、北海道アイヌの人びとの作品からはじまります。
曲線と渦巻き、とがった角のようなかたち、それらに囲まれる星のようなかたちが連なって構成されるアイヌ文様。儀式の用具のほか、衣服にも刺繍でアイヌ文様がほどこされています。

正面の向かって左の衣服は〈チヂリ〉。長万部でつくられたもので、緻密なチェーンステッチが実に見事。右は樹皮製衣服〈アットゥシ〉。衿、袖、裾周りにアップリケと刺繍で文様をあしらっています。
手前のケースに展示されているのは〈タマサイ〉、〈シトキ〉と呼ばれる首飾り。交易で手に入れた大きなビーズ(ガラス玉)でつくられ、アイヌの女性が儀式の際に身に着けてきました。

こちらの衣服は〈カパラミプ〉。透ける薄い地布の上に、大きな白い木綿布を切り抜いて衣服全体に文様をほどこしています。

首飾りの玉を想わせるような水色や、ピンクの色鮮やかな刺繍とともに、衿下から裾にかけては草花柄の布、袖口には乗りものや動物などの絵柄がついた布が用いられていて、モダンで愛らしい印象です。こうしたカパラミプは、明治末期から大正にかけて、白い木綿布が入手しやすくなってから制作されるようになりました。


衣服とあわせて、〈壁かけ〉もご紹介しています。作者の西田香代子さんは、阿寒湖温泉を拠点として制作活動を行う刺繍作家。アイヌ文化の伝承者との交流のなかで生み出される西田さんの刺繍からは、優れた技術とともに、神々とのかかわりを軸とする民族の伝統を大切にする心がうかがわれます。手前のケース内にある〈額飾り〉と〈手首あて〉も西田さんの作品です。

針仕事に関わる道具もご紹介しています。文様が彫刻された〈木製針入れ〉は、アイヌの女性が針を携帯するための道具。これを肌着の胸元の紐に結わえ、肌身離さず持ち歩くものです。また、〈糸まき〉にも引き出し状の針入れがつけられています。こうした道具は、人びとの生活のなかで針と糸が大切な存在であることを伝えてくれます。

床の矢印に沿って円柱の奥へまわると、〈カパラミプ〉の前身頃や〈壁かけ〉、〈チヂリ〉、〈アットゥシ〉の近くに進むことができます。ご来館の際は、ぜひお近くでご覧いただければ幸いです。
次回はアメリカ大陸へ。北米先住民の人びとの作品をご紹介します。(北海道立釧路芸術館/藤原乃里子)