北海道立釧路芸術館

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大漁旗展、開催中です! ~「つたえる」大漁旗~



釧路芸術館では9月27日(日)まで、フリーアートルームにて「大漁旗展 つたえる、いろどる」を開催しています。
釧路の街でたまに目にする大漁旗……じっくりご覧になったことはありますか?
本展では厚岸町海事記念館、株式会社近藤染工場、釧路市立博物館、北海道博物館のご協力のもと、1枚の旗にこめられた思いをたどります。
本日は、展覧会名の副タイトルにもある「つたえる」をキーワードに、本展をご紹介します。


現在私たちが思い浮かべる大漁旗は、漁船を初めて海に浮かべる進水式に際して、漁師仲間などから船主へと贈られるものです。
「祝」の字や「のし」は、大漁旗がご祝儀であることのあかしです。
大漁旗を構成する図柄にも意味があり、「豊漁となりますように」「事故なく漁ができますように」という願いが込められています。


たとえば、おめでたい魚である「鯛」。異郷から宝をもたらす「えびすさま」。富や幸福の到来をイメージさせる「宝船」など。
「だるま」は開運や商売繁盛といったイメージに加え、倒れてもすぐ起き上がることから、船が転覆などせず安全に航海できますように、という祈りの気持ちも込められています。
鋭く獲物をとらえるイメージから「鷲」や「鷹」、「金太郎」など力自慢の昔話の主人公、「鮭」「ほたて」など、贈る船が獲ろうとする魚などをあらわすことも。


大漁旗がいつから使われてはじめたのかは判然としていませんが(一説には江戸時代から)、当初は船の上から陸に大漁を知らせるために使われていました。
こうした大漁旗には「大漁」の文字と、屋号や「○○家」といった家名だけがあらわされます。
まだ無線などが無い時代、大漁となった船が大漁旗を掲げることで、陸では水揚げの用意を進めておくことができました。たくさんの魚を新鮮なまま処理するための工夫です。
この旗が掲げられるということは、海から陸へ富がもたらされること、漁師が無事に海での仕事を終えたことの報せでもありました。
大漁旗は、情報の伝達手段である以上に、海で暮らす人々の心の拠り所であったことが想像できます。

こうした大漁旗も、戦後は無線の発達などにより、必ずしも情報の伝達という目的で使われなくなってしまいます。
それでも、大漁旗というモノへの思いは特別。今度は進水式のためのご祝儀として親しまれるようになったのです。
大漁旗は時代とともに「海から陸への情報伝達」から「船主から仲間への贈り物」へと変わりましたが、豊漁と安全を願うシンボルであるということはいつの時代も変わらないのです。



今日のブログの続きは明日公開します!テーマは「いろどる」。お楽しみに!